
【産経抄】城山三郎氏…「経済小説」だけでなく、「昭和」に取り組んだ歴史作家&辛口評論家でもあった(17)
- 1 どろろ丸φ ★ sage 2007/03/24(土) 06:40:52 ID:???0
- 城山三郎さんの『男子の本懐』は、金解禁を貫いた首相、浜口雄幸を中心に昭和初期を
描いている。浜口自身が狙撃されるなど暗雲が垂れこめ始めた時代だった。その中に
小泉又次郎というユニークな政治家が出てくる。小泉前首相のおじいさんである。
▼又次郎は発足した浜口内閣の逓信相に起用される。かつての普通選挙運動の闘士で
国民から「又さん」と親しまれていた。その人気を買われた面もあった。入閣するとすぐ、
各省の車を減らし私用を禁止することを提案して喝采を博する。「期待」に応えたのだ。
▼あの時代にこれほど庶民感覚に敏感な政治家がいたことは驚きだった。ライオン宰相
と言われて謹厳実直だけのイメージの浜口も人間味たっぷりに描かれている。
霞がかかったような昭和初期という時代が、この一冊で生き生きと甦(よみがえ)ってくる
ようでもある。
▼亡くなった城山さんの最大の功績が「経済小説」というジャンルを確立したことにあるの
は間違いない。だが作家として「昭和」に取り組んだということも忘れてはならない。東京
裁判で文官としてただ一人絞首刑になった広田弘毅を描いた『落日燃ゆ』も渾身の力作だ。
▼一度お話しする機会があった時「歴史小説の方々に、昭和前期にも挑戦してほしいの
ですが…」とつぶやいておられた。「暗黒で重苦しい時代」として片づけ、真っ正面から
見ようとしない。そんな戦後の風潮や歴史観に対する不満のようにも聞こえた。
▼その上で、本紙連載「甘辛倶楽部」での加藤芳郎さんとの対談で、現代の政治家を
縦横無尽に切っていた。機密費と警備をまず削り命がけで政治を行った浜口に比べ、痛く
も痒(かゆ)くもないことばかりやっていると。自らにも言い聞かせていた気がする。
http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/sankeisho/070324/sks070324000.htm
※城山氏は“ライオンヘヤー”小泉前首相が推進した「個人情報保護法」に反対。テレ朝
『Nステーション』に出演して、「この法案が成立したら、賛成した人の名前を石碑に刻んで
後世に知らしめる」などと見本まで示し息巻いた。しかし、反対意見を表明するのは自由
だが、石碑云々となると、それこそがファッショであり自己矛盾だ、などの批判も出て物議
を醸した。尚、同法は03年5月に成立した。 (どろろ丸)
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